1 趣 旨

 昨今、賃貸住宅の供給過剰に加へ、受験倍率の低下や経済的な問題から地元への進学者が増えており、下宿(一人暮らし)をする学生も少なく、京都市内及びその周辺地域の賃貸不動産市場は、非常に冷え切った状況にあります。
それに伴い賃貸入居者斡旋業界の顧客獲得合戦は、非常に白熱したものとなっています。
 大学や専門学校の入学試験会場では、賃貸業者が道路を埋め尽くす程のパンフレット配布スタッフで会場前を占拠し、受験生が会場にたどり着く頃には両手いっぱいに、各業者のパンフレットを持たされていると言った状況です。
入試会場でのいき過ぎたパンフレットの配布合戦や地方高等学校への強引なアプローチなど、受験生や試験会場から苦情が出ていても一向に治まる気配もなく、この様な現象は今後も拍車をかけて続くものと思われます。
 また、大学関係から提供される下宿情報においては、一般的に偏ったものが多く、仕方の無い事ながら不動産契約に不慣れで、流れ作業の様な機械的かつ業務的な対応も多くみられるため、悪意の無いところでのトラブルが多く発生しています。

 激化する市場の中で、賃貸不動産業界では、利用者にとって優良なサービスや、良心的な賃貸業者が増えている事は確かです。
 しかし、その反面で、悪質な勧誘や不当な費用請求など賃貸借契約に伴うトラブルも増加しており、計画倒産などの事件まで発生しています。
これらの事件やトラブル・受験生のクレームは、広く全国の高等学校にも知られており、京都への進学イメージを損なうものと思われます。

 そして、もう一つ問題に挙げられる事として、京都は国際的な都市の性質を持ちながら、留学生に対しての住宅の受け入れ態勢が整っていなく、一般の賃貸物件ではその約9割で、入居を断られるのが現状であると言う事です。

 そこで私共は、学生さんの下宿事業に携わって来た経験を生かし、全国でもまれな特殊事情を抱える京都の賃貸システムに沿ったトラブル相談や、賃貸物件オーナーに向けた健全な賃貸のあり方に関する啓蒙、留学生の住まいの確保、信頼できる地元業者や学生生活に有益な学生活動・様々なシステム・セキュリティー対策のご紹介、借主の希望物件を一部屋単位で借上げて転貸する事により物件オーナーとのトラブルを防ぐなどして、「親に安心、子に安全」をスローガンとした住みやすい環境づくりを推進し、その情報を広く全国に発信したいと考えております。
 如いては、学生の街京都が、より活性化する事を願っております。